【イベント御礼】アート・エデュケーター宮本由紀の2DAYS 〜美術とJazzとNY〜DAY2

5/8(土)マール社『アーティストの手紙』 & 『メンタルに効く西洋美術』トークイベント【アート・エデュケーター宮本由紀の2DAYS 〜美術とJazzとNY〜DAY2 @渋谷BAGONE】が開催されました。配信にご参加の皆様、誠にありがとうございました。

PART2にあたる今回のトークテーマは【NYメトロポリタン美術館コレクションに貢献した、カサット&ルイジーヌ〜『メンタルに効く西洋美術』(マール社)を読みながら】!前回に引き続き特別ゲストとして、日本とNYで活躍するジャズ・シンガーの高田恵美さんをお招きしてのイベントとなりました。

今回は三部構成で、第一部第二部は宮本先生にカサットとルイジーヌのお話をしていただきました。

第一部では壮大な人生のプロジェクトに邁進する意思の強いカサットと、今回のトークテーマにも名前が出ている「メトロポリタン美術館」にコレクションを遺贈することになるルイジーヌの人生や、二人の関係が語られます。ルイジーヌの回想録によってわかる二人のやりとり。

印象的だったのはカサットがすすめたクールベの作品購入をめぐり繰り返されるルイジーヌと夫ハヴェマイヤー氏のやりとりでした。カサットがすすめるクールベのヌード作品を買いたいと言うルイジーヌに「私だったら、“アレ”はないかな」と答えるハヴェマイヤー氏でしたが、一旦ギャラリーに返した作品が翌日には再度家に届けられるパターンが多かったようです。この流れで、刺激的でとても家には飾れない4000万円相当の作品も購入してしまうのでした。「家が買えますね」と宮本先生と高田さんが笑いあう場面もありました。

一部と二部の間ではメトロポリタン美術館での高田さんの貴重な体験のお話から、アメリカと日本の美術館の違いについてのお話も出ました。

二部では女性参政権運動に関わる二人を解説していただきました。特にルイジーヌが悲しみを乗り越え大富豪のマダムから、過激な活動家へと転身していったことは驚きでした。

第三部では高田さんに『No More Blues』という曲を紹介していただきました。

『No More Blues』はボサノヴァの創成者の一人である作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンが作曲した『Chega de Saudade』(ポルトガル語・原題)に、ボーカリスト・作詞家・評論家・研究家のジョン・ヘンドリックス(高田さんの師匠の師匠ということでここでしか聞けないエピソードも披露されました!)が英語の歌詞をつけた曲。

ジョン・ヘンドリックスの「どこにいても故郷を想う」という歌詞を、高田さんは原点へ戻るという気持ちで歌っているとのことでした。自信が崩されてしまっても原点に戻ることで自分を立て直してまた歩いていけると。

宮本先生「ルイジーヌとカサットもそうですよね。彼女らの人生にすごく重なっているなぁ」
                                             
今回はルイジーヌとカサット、ジョン・ヘンドリックスの『No More Blues』から人生と人生のプロジェクトについてを考えるプログラムでした。

           

今回のイベントはオンライン参加のみでしたが、先生たちから「いい気が流れている」「ここに来るとほっとする」「ワインが飲めると最高」と絶賛されたBAGONEさんの会場の空気は画面を通してご参加いただいた皆様にも伝わったことと思います。リアルタイムでのご質問もいただき、臨場感をより楽しんでいただけたのではないでしょうか。

営業H