オスカー・ワイルドの軌跡
2023/10/31新刊 好評発売中
定価 3,630円 (本体 3,300円+税)
著者・編者 | ジュリエット・ガーディナー 著 |
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翻訳 | 宮崎かすみ |
ISBNコード | 978-4-8373-0696-2 |
Janコード | 9784837306962 |
Cコード | 0090 |
サイズ・付属品 | B5ヨコ変型判 188×247mm |
ページ数 | 160ページ |
原書タイトル | The Illustrated Letters of Oscar Wilde: A Life in Letters, Writings and Wit |
「私は誰かのことを崇拝したことなどありません。自分以外は」
『サロメ』『幸福な王子』『ドリアン・グレイの肖像』など、数々の著作と名句で知られるオスカー・ワイルド。
本書は、ビアズリー、ロートレック、風刺画家マックス・ビアボームが描いたワイルドのスケッチなど豊富な図版と共に、作家本人と彼をとりまく人々の言葉を通して、唯美主義者オスカー・ワイルドの生涯をたどるビジュアル伝記である。
イラストレーターのチャールズ・リケッツとの舞台の仕事、作家アンドレ・ジッドとの友情や画家ホイッスラーとの確執……分野を越境するワイルドの交流は、彼が生きた世紀末芸術の世界をも立体的に浮かび上がらせる。
恋人ボウジーの父・クイーンズベリー侯爵を筆頭とする“保守的なイギリス社会”との戦いや、猥褻罪による逮捕と同性愛裁判後の日々の克明な記録も必読。世紀末に常識と偽善を鋭く突いたワイルドが語り、書いた彼自身の物語は今もなお、鳴り響いている。
【川本直さん(小説家・文芸評論家)推薦文】
世紀末芸術の異端児オスカー・ワイルドの美と反逆に彩られた生涯をたどる絢爛たる絵巻。この豪奢な書物はワイルドの愛読者必携であり、ワイルド入門としても最良の書である。
著者紹介
【著者】ジュリエット・ガーディナー/ Juliet Gardiner:
イギリスの歴史家、History Today 誌の元編集長。Penguin Book of History、The Thirties: An Intimate History などの著作がある。また、映画『贖罪』(Atonement) の歴史考証を担当したほか、ラジオやテレビに専門家として出演することが多い。The Sunday TimesやSunday Telegraph、Financial Times、The Guardian、BBC History にも書評や記事を多数執筆している。
【訳者】宮崎かすみ
1961年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。横浜国立大学准教授等を経て、現在、和光大学表現学部教授。専攻は英文学・比較文学。著書に『百年後に漱石を読む』(トランスビュー)、『オスカー・ワイルド─「犯罪者」にして芸術家』(中公新書)、『オスカー・ワイルド書簡集─新編 獄中記─悲哀の道化師の物語』(中央公論新社)等がある。
【帯推薦文】川本直(カワモト・ナオ)
1980年生まれ。小説家・文芸評論家。著書に読売文学賞小説賞・鮭児文学賞・みんなのつぶやき文学賞国内第1位受賞・三島由紀夫賞候補となった『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』、『「男の娘」たち』(ともに河出書房新社)、共編著に『吉田健一に就て』(国書刊行会、近刊)等がある。
目次
序章
第1章「青春には人生の蕾を孕む王国がある」
第2章「期待されるのはいつだって格別」
第3章「芸術家はあらゆることを表現できる」
第4章「私は自らの才能を濫費する者になった」
第5章「行き着いた先は監獄」
本書の主な登場人物
索引
謝辞