戯れる江戸の文字絵

十返舎一九「文字の知画」よみがえる大衆の笑い

2022/11/24新刊 好評発売中

定価 2,310円 (本体 2,100円+税)

著者・編者楊暁捷 著
監修板坂則子 監修
ISBNコード978-4-8373-0692-4
Janコード9784837306924
CコードC0071
サイズ・付属品A5判
ページ数160ページ

絵の中に文字を表す「文字絵」。
たとえば、有名な「へのへのもへじ」では、文字の形が顔の要素をかたどっています。
本書は、そのような文字絵に川柳、狂歌、短歌などを添えた、十返舎一九の滑稽本『文字の知画』(もんじのちえ)を現代語読みにしました。一九の綴った言葉への見解を交えて、わかりやすく解説しています。
時は今から200年ほど前、登場人物は、江戸の町で働く商人や町人を中心に、花街の人々や旅人、武士、また町中をあてもなく彷徨う者など、老若男女総勢41人に犬1匹。彼らのよもやま話や尾籠な話、その悲喜こもごもに、現代に生きる私たちはギョッとしたり苦笑したり、時に微笑ましく感じたりするかもしれません。
一九が見つめた「江戸の市井の笑い」が垣間見える1冊です。

著者紹介

【著者】楊暁捷(ヤン・ショオジェ)
カナダ・カルガリー大学教授。京都大学博士(文学、1989年)。日本中世文学、特に絵巻を研究。古典の教育鑑賞におけるデジタル技術の応用に関心を持つ。2016年春、旭日小綬章受章。主な著書に『鬼のいる光景』(角川書店、2002年)、『デジタル人文学のすすめ』(共編、勉誠出版、2013年) など。

【監修】板坂則子(イタサカ・ノリコ)
専修大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程終了。東京大学博士(文学)。国際浮世絵学会常任理事。江戸時代の文学文化、特に戯作(江戸時代後期小説)、曲亭馬琴を研究。主な著書に『曲亭馬琴の世界 戯作とその周縁』(笠間書院、2010年)、『江戸時代恋愛事情 若衆の恋、町娘の恋』(朝日選書、2017年)、『戯作と艶本 馬琴から英泉へ、艶本化の水流』(武蔵野書院、2022年) など。

目次

文字が戯れ、言葉が哄笑する — 解題に代えて

1 御れい申候
2 まんざい(漫才)
3 さいぞう(才蔵)
4 とりおい(鳥追い)
5 むすめ(娘)

〔コラム〕移り変わる仮名

6 だいく(大工)
7 こめや(米屋)
8 をけ(桶)
9 かさや(傘屋)
10 はんだ(半田)
11 たゝみや(畳屋)
12 ほんや(本屋)
13 さむらひ(侍)
14 あんま(按摩)
15 いぬ(犬)
16 めしもり(飯盛り)
17 たびうと(旅人)
18 くも(雲助)

〔コラム〕江戸の本はパソコンで読む

19 あねさん
20 をりすけ
21 すし
22 そば
23 めかけ
24 ゐんきょ
25 うらない
26 うゑき

〔コラム〕文字で絵を描くこと

27 かりうど
28 つり
29 をどり
30 こんりう

〔コラム〕十返舎一九とその自画像

31 げいしゃ
32 だいじん
33 よびだし
34 かむろ
35 ひやかし
36 はなし
37 ちやし
38 けん
39 いかけ
40 たびや
41 さふらい
42 やつこ

版元・甘泉堂の口上
作者・十返舎一九の口上

おわりに

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